啓発舎

マジすか? マジすよ

今日はローリングストーン誌にご登場願う。
筋金入りの民主党シンパ。
記事のタイトルは「米大統領選:第1回討論会における19のおかしなやりとり」
トランプのバカスケぶりを列挙した内容。以下抜粋。

1 不動産バブル崩壊

クリントン:ドナルドは住宅市場危機を煽った内のひとりです。2006年、彼は「不動産市場が崩壊することを願っている。そうしたら安くなった物件を買ってある程度の金儲けができるから」と発言しています。そしてその直後、本当に市場が崩壊しました。

トランプ:それをビジネスと呼ぶんだよ。

3 TPPについて

トランプ:あなたははじめ、TPPを「国家間取引のゴールド・スタンダード」と呼び、これまでで最も理想的な協定だと言っていました。しかし私がTPP反対の立場を取ったことで、あなたも突然意見をひるがえしました。

クリントンドナルド、あなたが自分だけの世界に生きていることはわかっています。でもそれは事実ではありません。実際私は、TPPが良い協定となることを願っていました。しかし、私の手の届かない所で行われたTPP交渉の結果、私の描いていた理想から外れてしまったのです。その経緯は私の著書にも書いています。


4 クリントンの経済政策

トランプ:国務大臣、経済政策に関してあなたは無策だ。

クリントン:私は著書の中ではっきりと政策を打ち出しています。タイトルは『Stronger Together』といいます。明日、書店か最寄りの空港でお買い求めください。
5 クリントンの対イスラム国(ISIS)政策

トランプ:彼女のWEBサイトを見てください。そこにはイスラム国との戦い方が書いてあります。ダグラス・マッカーサー元帥はこんなことは喜ばないと思いますよ。

クリントン:そうですか。でも少なくとも私にはイスラム国と戦うための(トランプにはない)政策案があります。

(中略)

トランプ:あなたは敵(イスラム国)に手の内を明かしてしまっているではありませんか。

クリントン:いいえ、決してそんなことはしていません。

トランプ:いいや、これから実行しようとしている作戦を(WEBサイトに書いて)全部敵に教えてしまっている。あなたは成人してからずっとイスラム国と戦い続けてきたから仕方のないことなのでしょうが。
クリントン:あの、何と言えばいいのでしょう・・・事実確認の担当の方、すぐに事実をチェックして(彼に教えてあげて)ください。

6 あきれるクリントン

クリントン:この討論会が終わる頃には、すべての責任を私に押し付けられそうな気がします。

トランプ:なぜ? 実際にそうではないんですか? 

クリントン:なぜですって? こちらが聞きたいです。おかしな事ばかり言っていないでとにかく討論に参加してください。


9 トランプの納税申告内容

クリントン:なぜ彼は納税申告を公表しないのでしょうか? いくつかの理由が考えられます。ひとつ目は、彼は言うほど金持ちではないのかもしれない、ということ。ふたつ目は、彼自身が言っているほど慈善事業に貢献していないのではないか、ということ。さらに、彼のビジネスの詳細はわかりませんが、調査報告によると、彼はウォール街と海外の銀行に約6億5千万ドルもの負債がある、ということです。あるいは、今日この討論会をご覧になっているアメリカの皆さんに、彼が連邦税を1セントも納めていないことを知られるのを避けているのかもしれません。彼がカジノのライセンスを申請する際に当局へ申請した数年分の税務申告書がありますが、それによると彼は連邦所得税を全く納めていませんでした。

トランプ:参考になる話だな。

10 アメリカの抱える問題

トランプ:我が国はとても大きな問題を抱えています。アメリカは深刻な債務国です。国内には道路、トンネル、橋梁、空港、学校、病院など新たなインフラが必要とされています。しかし我々にはお金がない。クリントンをはじめとする政治家の失策によって浪費されてしまったからです。

クリントン:それから、あなたが長年に渡って連邦所得税を納めていないからかもしれませんね。

11 WEBサイトについて

クリントン:実に多くの批判や主張が出てくるので・・・。

トランプ:事実だ。

クリントン:ですから私のWEBサイトHillaryClinton.comに事実確認のページを設けました。そのページをご覧いただければ、何が事実なのかリアルタイムに確認できます。私の政策提案では・・・。

トランプ:私のWEBサイトも見てください。

クリントン:私の政策では、国の債務を1セントも増やしません。一方あなたの政策では、債務が5兆ドル増加します。

12 交渉により国の債務を減らせるとするトランプの主張

クリントン:あなたは自分自身を「借金王」と呼んでいます。あなたはレバレッジについて語り、さらにアメリカの債務額を減らすために債権国と条件の再交渉を行う、とまで言いました。
トランプ:それは間違っている。私は言っていない。(筆者註:トランプは実際に発言している。)

クリントン:ビジネスの世界でのスキルをそのまま政治に持ち込むことができない場合もあります。また、ビジネス界で起こったことが政治に大きな悪影響を与えることもあります。

ローリングストーンは、トランプをディスるつもりなのだろうが、どっこいこれを読むと、トランプのお莫迦ぶりが引き立ち、クリントンは、トランプの「受け」を引っ張りだすアシストの役回りか、という印象だ。
二人ともいい味出してると思いませんか。
おれは男女の漫才ってどうもピンとこないのだが、この二人はしっくりくる、そのまま「政敵」の設定で売りだしたらどうか。
両者とも相手の言うことをまるで聞かず、詭弁、はぐらかし、すり替えなどあらゆる技を駆使して中傷しあう。
大の大人がよくやるよ、とたちまちブレイクすることおれが保証する。

トランプについては、ストリップのスタンダップコメディアンとしてなかなかの腕、と評価していたが、今回のやりとりは、さらに、昭和を代表する哲学者、バカボンのパパ、の似姿、と持ち上げてみたい。
大統領になったあかつきには、債権者の諸国を恫喝してまわり借金を踏み倒す、なんて百輭入道だってなしえない快挙だ。
安倍なんかいちころでやられそうだ。

これでいいのだ。


トランプは負けるが、この男に喝采を送る階層の存在を全世界に知らしめた功績は大きい。
どの国も一緒だ、と。