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三田での会合の帰りアキバで降りたら、大音声。
ホームから見ると、駅前にひとがぎっしり。
演説会に出くわしてしまったようだ。
自民党。
自民党は、最終日の舞台にアキバを選んだのだね。
ちょうど始まるところ。しばし見物することにした。
石原の長男坊が口火を切る。中身は、いつもの自民党金太郎あめフレーズ。
主催者側と群衆のあいだに、ちゃんと空間があって、黒服が、なんというか、碁の序盤戦の黒の碁石みたいにそこらに配置されている。

とっさに思ったこと。
ここに集まって声援を送っている人たちは、自民党政治の受益者なのか。

まず、当方のスタンスは、例によって赤勝て白勝て。
ほんとの争点が憲法かどうかも、もう、どうでもいいザ・ワールド、「そっちはそっち」の世界に移行済み。

で、集まった善男善女にあらためて問いたいのは、浜さんいうところのアホノミクスであなたがたは受益しているか。
どうでもいいが。
沈みに沈んでいるのに、気づかずはやしたててるだけではないか。

真実はアホノミクスについては浜さんの言っていることでだいたい正しいとおれは思う。
復習します。
この国の給与所得者は、正規も非正規もなく、役つきもヒラもどいつもこいつもひとしなみに全部沈没してるよな、一連の流れで。
資産持ってる奴の独り勝ち、という非難は正しい。

はっきり言おう。
俺は不動産をやっているが、民主党政権時代に仕込んだ物件は全勝といっていい、いまのところ。金利も下がり、借り換えでごっつぁん、の相乗効果もある。黒田に足を向けて寝られないよ。
もちろん、当時、今日の状況は予想できない。
不景気がそのまま続くとしてこつこつやっただけだ。
政治の風向きで、すいません、おこぼれにあずかりました。
アホノミクスには、資産増幅効果は、はっきりあった。我が身にてらして。

その間月給取りは、円安と企業の内部留保ためこみで労働分配率はさがり、とりわけこのタイミングで終の棲家を展望する向きは、土地、建築費高騰でマンションにも手が届かなくなった。
一生賃貸で絶対的な貧困化。泣きっ面に蜂。
だが、みんな一緒に沈むから相対的には、かわらない、となりもそうだから、わからない。
円安局面の爆買い騒ぎで、爆買いピープルに経済的にも完全にキャッチアップされてしまった、ということを目の当たりにして、はじめて自覚するべきところだが、どうですかみなさん。
最悪の展開ではないか。
都会に住む奴の７割８割は月給とりだとして、雨の中アキバの陸橋で石原の長男坊に声援を送ってる奴の大宗を占めるであろう月給取りは、それがわかっているのか。

もっと進むぞ。どんどん水面下に沈み込むぞ、この先。
いいのか。

まあ、いいか。
「そっち」の領分だ。
わしゃ知らんよ。
資産っぽいディールはしばらく見送るだけのことさ。
風車　風が吹くまで　昼寝かな

という老賢者で、おれさまは、あるので、アベを待つまでもなく石原長男坊に早々に見切りをつけ、黄色い電車に飛び乗って市ヶ谷方面に去っていきましたとさ。