今日付けの読売 編集手帳より
◆小説家の故・豊島与志雄の随筆より。〈衆に媚こびず、孤独を恐れず、自己の力によって自ら立ち、驕おごらず卑下せず、霜雪そうせつの寒にも自若じじゃくとして、己自身に微笑ほほえみかくる、揺ぎなき気き魄はくである〉◆梅の花を語っている。未来社『豊島与志雄著作集第6巻』から引いた。いかがだろう。
抜粋おわり。本題は別で、上は、まくらなのだが、沁みたのでのせた。
咄嗟に、そのまま、ある文章が五臓に沁みるといのは、こう馬齢を重ねると滅多にあることではない。
そうか。早春の梅はおのれ自身に微笑みかけているのか。
いまの自分にあまりに響く。