啓発舎

マジすか? マジすよ

◆日経で、ミニシアターの閉館が続くという記事を読んだ。
恵比寿のガーデンシネマなど。
印象に残ったのは、今日日の若い衆にスノッブが減ったのでは、という観測。
そうかもしれない。
もわーっとした気分で岩波ホールに通ったさ、学生のころ。
ベルイマン、インドのなんとかいう監督、サジットなんとか、ビスコンティの家族の肖像もここだ、自由の幻想、あれやこれや。
新宿のアートシアター。ジャンルノアールの実験映画。
操業ゼロとかは、どこで見たんだっけ。
坂本龍一のスコラをみた、NHK地上波。
 ベートーヴェン
 浅田彰の絵解きは例によって退屈そのものだが、坂本も、労働、とか闘いから勝利へ、とか、結構月並みだったぞ。
 エロイカや第九の終楽章やワルトシュタインや運命だけがベートーヴェンじゃないぞ。
 たとえば田園の二楽章。後期の弦楽四重奏

 ベートーヴェンのグルーヴ感についてひとくさりあったが、確かにベートーヴェンはグルーヴする。
 レオノーレ三番のコントラバスの下降音階とか、エロイカ第一楽章のゲネラルパウゼのあとの、ジャンジャンと弦が見え張り第二主題にもっていくところとか、これなんか、ほとんど歌舞伎ですね。七番の三楽章も忘れてはいけない。

 だけど、ベートーヴェンの達成の極北は、田園二楽章と第九三楽章だ。あとは弦楽四重奏の15番か。後期のピアノソナタ
 普遍ということだ。
 全部、当方10代後半から20代前半にかけてのスノッブ期の体験だ。
 
若いころのスノッブ体験は20年30年たって栄養になる。