◆きのう見た映画の話。
nhkbsの夫婦善哉 続夫婦善哉 の二本。
なにより、美しい音楽。
森繁と淡島千景の会話が妙なる音楽として聞こえる。
内容などどうでもいい。森繁と淡島がからむシーンは、たいてい、他の女がどうしたとか、金がどうの、とか、お前だけだ、とか、口ばっかり、とか、まあ、乳繰り合ってるだけなんですね。それが、なんだろう、間、といい、はんなりした品のある大阪弁、船場の言葉だろうか、といい、聴いていてうっとりしてしまう、五十のおやじが。
品、ということをおもう。
織田作の原作のねらいは、もっと別のところにあるのだはないかとも思うが。大阪の猥雑な活気、のような。
特に続編がいい。当然第一作のヒットを受けて作ったからだろう、淡島千景の肩の力が抜けていて、森繁とのからみのときに見せるコケティッシュな笑顔は、なんともいえません。
森繁は、一作二作目かわらず、例の調子だ。
しかし、それにしても、森繁久弥という役者の巧さは、なんだろう。