日経と朝日が両方ほめていたので、駅路をみた。テレビのドラマを最後まで見るのは久しぶりだ。
後半少しきつかった、体力的に。
冒頭に少しだけでた石坂浩二が、定年を迎える会社員を正確に演じていた。
十朱幸代の抑えた演技もよし。
それ以外は、いかがか。
ストーリーは、妻も愛人も捨て、第三の路をいく、ということでないと。
冒頭の石坂浩二の演技は、妻も愛人も捨てていたと思う。そういうニヒリズムが全身からあふれていて、かっこよかった。
女だの仕事だの、その種の俗事は、もう卒業してるでしょう、御同輩。
その先にあるものしか、これからは、鑑賞に堪える物語にならない。
それがよくわかったのが、拾いもの、か。
で、ここ数日の動静。
4月10日(金)
仲町で飲む。2軒。金曜日は、飲まずにいられるか状態になる。仲町は、生まれ育った街ということを措いても、ほっとする空気があって、好きだ。2軒目は、このところ雑誌でよく紹介されるジャズを流す居酒屋。帰りに、精悍な老店主に、たいへん丁重に来店のお礼を言われ、どぎまぎする。同行者は、場違い感があったようだ。たしかに、野郎が二人で背中をまるめて飲む、という店ではあるな。また来よう。
4月11日(土)
午前中荻窪で仕事。F氏に車で迎えにきてもらう。東京の街の移り変わりについて情報交換。荻窪の太田黒公園のあたりは、街並みに節度があって、好きだ。
阿佐ヶ谷で昼。がらがらの中央線で深川方面へ。
打ち合わせをすませ、開業9周年をイースト21で。きぬがさ茸と厚揚げ。車海老のマヨネーズあえ。久しぶりに、この店の真価を味わった。へんなおフランス風に流されないで王道をいってほしい、この店には。満足。
朝日の天声人語が、誤報問題で新潮社を斬っていたが、読ませる文章だった。
「次号で手記掲載のてんまつを説明するそうだが、最近の筆の甘さを鋭くえぐる力作を期待したい」というあたり、お手並み拝見、とのゆとりをみせる貫禄あり。
「最近の筆の甘さ」というのは同感。
ずばり取材費のせいだと思う。新潮も文春も、うすい、あまい。