啓発舎

マジすか? マジすよ

本のまとめ読み

実は、昨日から予感はあったのだが、風邪を引き込んだ。きのうの夕方から、ずっと横になっている。
全身がだるく、微熱あり。ただし、喉はそれほどやられていないようだ。
今日も、起きたのは7時半ごろだが、立ったり横になったりで、いま夕方4時すぎ。
 こういうときは、本を読む。
 枕もとに何冊か本をおいて、よみ散らかす、という仕儀になるのだが、妙に頭が冴えて、きのうも夜中まで読みふけってしまった。

 ざっと、以下。書名、著者、出版社の順。

 「心より心に伝ふる花」観世寿夫 白水社
 「日本文化における時間と空間」加藤周一 岩波書店
 「夷斎座談 石川淳対談集」 石川淳 他 中央公論社
 「変わり目考」 森村泰昌 晶文社
 「独特老人」 後藤繁雄 編著 筑摩書房

以下、感想。

◆観世さんは、風通しのよい人ですね。開かれている感じがします。

◆加藤氏については、長くなるので別途。井筒俊彦さんにも登場いただくことになりそう。風邪治ったら。

石川淳さんは、凄いです、土台が。
 無条件降伏。
 川端康成中野重治安部公房貝塚茂樹三島由紀夫武田泰淳花田清輝、他の錚々たる人々を相手に、闊達に語っていらっしゃいます。
 なかでも、武田泰淳花田清輝がガキのような言い合いをしていて面白かった。
 以下、そこだけ抜粋。

 花田:なんか、いつも説教しているような感じがする。
 武田:あなたに対しては、説教の形になるよりしかたないだろう。(中略)タバコをおれのほうに向けるなよ。

 抜粋おわり。

 「悟り」というものについて、はっきりしてくれ(花田氏)、はっきりできない(武田氏)という会話の流れでのひとコマ、深甚なテーマです。
 昭和37年の座談だから、二人ともいい年のはず、お茶目なおじさんですね。

 最後に、安東次男、大岡信丸谷才一の各氏との歌仙のおまけつき。

 悠々と 連句楽しむ かっこよさ。

◆森村さんは、自分できちんとものを考える人。視点がやさしい。当方学ぶべきところ多し。

◆「独特老人」は、年のいった文化人のインタヴュー。俄然若いですよね、年季のはいった人々は。
 
 体が弱ってるので、書棚から本を引っ張り出すにしても、どうしても、当方が無条件で受け容れられる人々に登場いただくことになる。
 森村氏を除いて、昔の人ばかりだなあ。

 今回のヒットは、石川淳さんでした。