21日(水)
オフ。この日は、なにかと、てんこ盛りでした。
朝から、新国立美術館。六本木。
ポール・ボキューズのレストランが、朝11時にして、ランチ3時間半まち。長蛇の列。
別のカフェでビール飲んで腹ごしらえ。
暇なので、歩いて渋谷まで。天気いいし。
裏道を通ると、そこここに、なんというか、遺跡が。
青山墓地沿いのデニーズなんてまだあるんですね。
この日の眼目は、渋谷で映画。
正確にいうと、「映画館」に行くのが目的。
かかっている映画は「ディスタンス」というそうだが、まったく予備知識なし。監督も出演者もしらない人。映画館で映画を見るのは、恵比寿で見たゴスフォード・パーク以来、4〜5年ぶりだ。
東急本店横を左に折れる。かつて、この辺りは、当方の、その、古戦場ともいうべき一帯だった。
ほんとに久しぶりに足を踏み入れたが、界隈の雰囲気は、全然変わりませんね。
で、右手に、唐突に小ぶりのシネコンビル発見。ここの4階。
映画は、拾い物。感性の瑞々しさに打たれました。
悲しいかな、日本映画をほとんど見ていないので、きちんとした物差しがあるか全く自信ないのですが、この映画の水準をもっていまの日本映画全般を俯瞰できるのだとしたら、いい状況なのかな、と、思いました。映画自体については、稿を改めます。
終演後、支配人H氏に挨拶、久闊を叙す。
立ち話で、共通の友人の消息など。
年のせいか、近頃、中学時代の友人と言葉を交わすと、自分のなかの一番混じり気のないものと直接向き合うような、そんな感じがすることがよくあります。
紛れもなく、自分のあらゆる感性の淵源がこの時代にあり、最近特に、その鉱脈から直接自分に語りかけ、自分を少し豊かにてくるものがある。
先祖がえりということか。これが、年をとったということか。
であれば、年をとるということも悪くない。
かけがえのない時代を共有したかけがえのない人たち。その記憶。
駆け足で、観世能楽堂。
研究会能組
忠度 津田和忠 他
謀生の種 野村万作 他
仕舞
杜若 関根祥人 他
宗家の清和師を面なしで拝見するのは初めてなのですが、テクノカットとしか言いようのない髪型で、凛々しく高砂を舞っていらっしゃいました。
杜若のワキ 村瀬純氏の声!
豊かな倍音。3人ぐらいで吟唱しているようです。
これが本日の一等賞。
お囃子も良かったです。
東急本店の坂を、しらふで下って帰る。