啓発舎

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「やってきた二つの島」

二編ある後の方。

 

主人公の庄屋は、じつは、おれがモデルだ。

 


まんが日本昔ばなし 2019 #27「船幽霊」_「やってきた二つの島」

 

 

あらすじは以下。

よくまとまっている。

賑やかが良いか、静かな暮らしが良いか、人によりけりって事


昔、人が大勢暮らしている「長浜」というにぎやかな村がありました。この村の庄屋さんは、ちょっと変わり者の人間ぎらいで、長浜の屋敷を離れ山向こうの静かな浜辺に一人で暮らしていました。
ある日、この静かな浜辺に長浜の吾作がやってきて、「明日の婚礼へは必ず出席してくれるように」と、念を押して帰っていきました。翌日、しぶしぶ出席した庄屋さんは婚礼の途中で抜け出して、静かな浜辺の家に戻って行きました。
次の朝、庄屋さんが静かな浜辺に釣りに出掛けると、なんと一晩のうちに二つの島が出現していました。驚いた庄屋さんは「島がやって来たと聞けば大勢の人たちが押し寄せて、この浜辺は人間だらけになってしまう」と考えました。そこで家から大きな扇を持ってきて、「よその海へ行ってくれぇ、そーれそーれ」と言いながら島に向かってあおぎはじめました。
すると、やってきた二つの島は静かに沖へと動き出し、長浜の海辺へと移動していきました。長浜の村人たちは大喜びし、いつまでも大勢の見物人を集めて村はますます繁盛しました。にぎやかに暮らすのが良いか、貧しくとも静かに暮らすのが良いか、人によりけりって事ですね。

 

原作は、こうだ。

 昔、人が大勢暮らしている「トーキョー」というにぎやかな村がありました。この村の主宰は、ちょっと変わり者の人間ぎらいで、屋敷を離れお堀端の静かなお城に籠城して一人で暮らしていました。

ある日、この静かなお城に長浜の吾作がやってきて、「明日の会合へは必ず出席してくれるように」と、念を押して帰っていきました。翌日、しぶしぶ出席した主宰は会合の途中で抜け出して、静かなお城の家に戻って行きました。

次の朝、主宰が静かな淵に散歩に出掛けると、なんと一晩のうちに桜が満開になっていました。驚いた主宰は「桜が満開と聞けば大勢のヒトが押し寄せて、この淵はヒトだらけになってしまう」と考えました。そこで家から大きな扇を持ってきて、「どこでもいいがなるべく小汚い村へ行ってくれぇ、そーれそーれ」と言いながら淵に向かってあおぎはじめました。
すると、桜は静かに動き出し、銀座方面に移動していきました。銀座の村人たちは大喜びし、いつまでも大勢の見物人を集めて村はますます醜くなりました。にぎやかに暮らすのが良いか、静かに暮らすのが良いか、人によりけりって事ですね。

 

これがオリジナル。原作のほうがよほど出来が良い。

 

 

 

会合のエピソードは、枚挙にいとまがない。

いままで主宰が中座した会合を数え上げることに成功した数学者はいない。

懸賞だしてもいい。

 

さいごの、にぎやかがいいか静かがいいか、人によりけり、というのは、要すれば、「そっち」「こっち」ということです。

そっちはそっちで小汚くやってください。こっちはこっちでうまくやりますから。

 

といういつもの結論だ。

 

これでいいのだ。