花見天国と歯医者地獄
一日のうちに、しかも陽のあるうちに天国と地獄を経験できる、というのは僥倖といってよいか。
いいわけねよ。
しかしなんだ、桜のなんでも赦す抱擁するという空間は、気候のせいもあるのではないか、と今日初めて気づいた。
そのぐらい、うららかな陽気だった。
遠慮なくぼーっとしたぜ。
で、午後だ。
歯医者の恐怖というのは、今、たった今、この瞬間何をされるかわからない、という不可知の恐れだと、これも今日はじめてわかった。
存分に怯えたさ。
映画の話
◆七人の侍
この映画の悪役は、馬だ。
馬の下半身、というのだろうか、足とか蹄とかを執拗に映す。
馬は、人間のように仕組んで悪さをするわけではないから、この悪役は、運命みたいなものだ。
あるいは、天変地異。
刈り取りが終わるとやってくるのだから、台風か。
台風に立ち向かう七人組。
◆スティング
ポールニューマンの奥さんとロバートレッドフォードと一夜を共にする飯屋の女。
この女優二人が、この映画の通奏低音。
なんでも赦・・・しそうでおっかない、いい女たちだ。