啓発舎

マジすか? マジすよ

N響
ショスタコ10番。
レナード スラットキン。

すげえよかった。
サントリーホールでビール、幕間で赤ワイン、帰りに飯食って生二杯だ。すこし酔っぱらってる。ちょっと、書くのも面倒。だが、気分が盛り上がってるうちに。というわけで。
・楷書のショスタコ
 スラットキンさんは、実は良く知らない人。
 棒が、これほどわかりやすいか、後ろからみていて。
 弦楽器群、木管、打楽器金管、の楽曲の中での構成、推移が、指揮を後ろからみていて、ほんとによくわかる。
ショスタコというと、社会主義リアリズムがどうした、反スタだのどうの、と理屈が先立つが、今日のは、純粋音楽。理屈なし、と指揮者も思って振ってると思う。
・で、なにがわかったかというと、ショスタコは、なんだかんだ言って、軍隊っぽいのが好きなんです。スネアがロールして金管が吠えてみたいな。
・この10番は、よく知らない曲だが、今日聞いて傑作だと思った。
・よく知らないんでなんでも言えるのだが、第一楽章は、例の5番の終楽章の続きではないか、ということ。
・なんか、フィナーレみたいだぞ。
・二楽章を含めて、音圧が凄いぞ。
・Vnは、最初から最後まで、基本的に、キコキコやっていた。
・低弦は、コントラバスがもぞもぞつぶやいて、それにいろんな楽器がのっかっていくパターンね。
ショスタコは、手癖の人、パターンの人だと思うが、なんだろう、ブルックナー的な、約束事の盛り上げ、がある。ブルックナーが聞いたら怒るかもしれないが。

というようなことを聴きながらあれこれ思いながら聴いた。

この曲を、こういうふうに正確に、端正に、演奏できるのは、今日の指揮者のオーケストラをコントロールする腕前もあるが、N響の、技術的な、ある達成を示すものといっていい。

ルトスワフスキのチェロ協奏曲も、まあ、よかった。
奏者のケラスは、端正に弾いていた。
曲は、はっきり言ってくどい。
オーケストラ、特にトランペットに立ち向かう独奏チェロという構図が最後まで続き、正直、わかったわかった、という感あり。
音楽を政治のプロパガンダにしてはいけない、のかどうかは保留する。別にメッセージを全面に押し出すのはいいが、そうすると、ややもすると「音楽」が減衰する。だけのことか。
これは作曲者、曲にねざす話。

ともあれ、今日はじめてお目もじしたスラットキンさん、見かけは、小太りのさえないおやじという感じだが、どうしてどうして。
前回のデュトワバルトークより、よっぽどよかった。

今夜はブラヴォーです。ビールうまし。