対決 巨匠たちの日本美術
東京国立博物館
行ってきました。
金曜日だけ夜の8時までやっている。
会場に着いたのが6時15分ごろ。
迷わず、等伯の松林図に向かう。
その辺りだけ空気が違う感じ。
屏風の前には空間ができて、人が遠巻きにこの屏風を見ていました。
みんな、この絵が好きなんだね。
その、この国に生まれ育った人に底流する美意識にダイレクトに訴えかける力がある。
しばらく館内をうろうろして、またこの絵に立ち返るときの、すがすがしい感覚。
おぼろな空気。凍りつく時間。
なにか原初的な、心が休まる、ほっとする感じ。
普遍。
半日ぐらいこの絵のまわりにうろうろしていたい、という気持ち。
安らぐ。疲れない。
神品です。
永徳の檜図は京都でみた。このブログにも書いたので、今回は略。
松に○○鳥・梅に白鷺図屏風をはじめてみた。
素晴らしい。
図録にいろいろ書いてあったが、当方は、背景の草のピンピンした濃い黒の筆致が、紛れもなく永徳のエネルギーを発散させていたと思う。
枝ぶりの、強靭な線。
聚光院の花鳥図も、画面中心の梅の木の迫力。
永徳はすごいなあ。
今日は、この二人に会えただけで来た甲斐があった。
その他、これはと思った作品。
雪舟 四季花鳥図屏風。特に左側の雪のふりつむ木の枝。
光悦 宗達の「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」
これは、音楽です。
巻物の右から左にかけなだらかな弧をえがいて鶴が群舞する。
サインカーブみたいに。
そこに光悦が、自由に筆をいれる。
どちらが主旋律でどちらが対旋律か。
目で見る対位法。
閉館がちかづくにつれ人がまばらになり、5メートルぐらい離れて細長い巻物の展示されている部分の全体を一望していると、聞えてくるのは、琴の音ですね。
仁清の色絵吉野山図茶壷
乾山は、京都でやっていた兄弟展のほうが充実していたようだ。
光琳の「竹梅図屏風」
光琳の竹は、京都でみた乾山の四角い皿に絵づけしたやつも印象に残った。
光琳の竹は、いいぞ。
宗達の「槙檜図屏風」
蕪村の鳶鴉図
芦雪の「虎図襖」
こりゃ、猫だね。愛嬌あります。
なんというか、大エンターテインメント大会。
元気になる。
いい企画だ。
秋の大琳派展も楽しみにしています。