NHKBS
大砂塵。
冒頭、酒場で、兄を殺された女とそのとりまきが、名指しされた「ダンシング・キッド」一味と対峙する。一触即発だ。
と、背中にギターをしょって酒場にやってきたる流れ者その名も「ジョニーギター」が、間にはいる。
「なんだてめえ、ふざけた名前だ。ギター弾けるのか(記憶頼り)」と息巻くダンシング。
「お前こそ踊れるのか(あいまい)」と返すジョニーギター。
やおらギターを弾き始めるジョニー。軽快だ。
と、ダンシング、ステップを踏み始め、しかも、あろうことか、自分を吊るすとにらみつける女を抱えて仲良く「ダンシング」。
それを、バカ面で見守る敵味方。
これは映画史に残る名シーンだ。
小林旭の渡り鳥シリーズをパクったか。
再び、冒頭の女一味がおなじ酒場に押し入る。
銀行強盗やっただろ、と名指しする相手は、冒頭とは違い、主人公のジョーン・クロフォード。
そのときゲタ面少しも騒がず、白いドレスで悠然とピアノを奏でる。
で、双方、10メートル以上はあるだろう、間合いをとって、やったやってない、の言い合いを始めるのだね。
この年になって、ようやく映画が面白くなってきた。