「私を会員にするようなクラブにははいりたくない」というのは言うまでもなくマルクスの名言だ。
筋金入りのマルキストである主宰として、私は、生まれてこの方、私に入会を勧めるあらゆる会派の勧誘を退けてきた。フラダンスもそば打ちもゲートボールも一眼レフも。
しかし、このところ、折に触れ、その節を曲げる時期が遠からずやってくる気配を感じる。
もう、会員制しかないんじゃいの。
飯を食うのも、カフェでぼーっとするのも。
電車に乗るのも。
啓発舎会員とのみ交わり、御用達の施設、機関のみ利用する。
ふんとにまったく。
ところで、マルクスのコピーラーターとしてのセンスはほんとに凄い。
「万国の労働者よ団結せよ。失うものは鉄鎖のほかにない。獲得するものは、世界だ」で奮い立たない奴は、男の子じゃありません。
「私には偏見というものがない。平等にみんなが嫌いなんだ」はおいらの墓碑銘にこそ似つかわしい。
劇作家、映画作家としても一流だ。
「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」はベルばらとならび宝塚のドル箱であるのは周知のとおり、「吾輩はカモである」は、圧政に対する人民蜂起を厳粛に描き出し、これに触発されて営繕シュタインは「戦艦ポチョムキン」を製作した。
で、会員制の話は、どうなった。
またこんど。