岩波「図書」12月号届く。
今回はいくつかおもしろがあった。
おもしろかった順に。
松平定信は、古典の「写し魔」だった。しかも、仏典、漢籍よりは、源氏(7回)、伊勢物語にいたっては、何度写したか覚えていないほど、と。
いったい、なんのために。
「老行に随ひてかく細やかにかくは、目のいまだくらからず、めがねなどによむことなきをおふ心気もありなん。」と自ら語る。
これは怪しい、と筆者はにらむ。
おれもそう思う。
やむにやまれず、ということだろう。
「むかしおとこありけり」というのが、好きで好きでたまらなかったのでしょう。
七十翁、淫する。
よい話を聞いた。
励みになります。
◆源氏物語・小考
たまたまか、編集の意図か、次のエッセイも源氏つながり。
これも、物語に淫するあまり、自ら補作をしてしまう宣長。
宣長といえば、敷島の大和魂は山桜花の歌ぐらいはおれも知ってる。
大意は以下だ。
軍艦敷島の乗組員は全員大和魂の持ち主で、今日もそろいの山桜の徽章が胸に輝くぞ。
乞食伝兵衛の名をはずかしめない、立派な作だ。
そんなとこ。