啓発舎

マジすか? マジすよ

「図書」の別冊で「私の三冊」というのが送られてきた。
たちまち読了。感想は、月並みの一語に尽きる。全然意外性がない。
そこで、主宰自ら書架に赴き、三冊を選定した。

臨済録
◆意識と本質
◆アナバシス

結果、アナバシス以外は、岩波が選んだ「各界を代表する皆さま」が選定したブツでした、しかも、複数の方が。

意外性がない、と歎ずるおいらも世間並だ。
それで気づいたのだが、そもそも岩波文庫の品揃え自体がひと昔前の教養主義によるものだから、どれを選んでも岩波イズムの金太郎あめになってしまうんだろうね。
臨済録は、たとえばバガバッドギーターでも老子でもエックハルトにも置き換えられる。
アナバシスも、ヘロドトスの歴史かガリア戦記でもよかったかもしれない。


臨済録は、入矢さんの訳の功績も大きい。
アナバシスは、小ネタの充実を買った。
逃げて帰る話だが、略奪したり原住民を無闇に攻撃したりそこら中で悪さするんですよ。
ガリア戦記もいいのだが、同じ作者では、内乱記のヘビー級ボクサーの殴り合いの迫力が勝る、私には。
ヘロドトスの覗き趣味はときどき辟易。「築地です」は理屈っぽい。
とはいうものの、いずれも枕頭の書ではあります。
ギリシャの古典はイズムから自由だからみんなおおらかですね、人間の営為を受け容れる。略奪だめじゃん、とか、戦争反対、とか全然ない。
臨済録は、啖呵の切りっぷりです。
臨済さんはスカトロじじいだ。

井筒さんは、何回書いたかわからないので、今回はコメント略。若松さんもちゃんと挙げています。


ほんとは、昨日あったことをくどくど書いたのだが、さすがに削除。
そんなとこ。