啓発舎

マジすか? マジすよ

で、さっき帰ってきました。


国破れて山河あり。


何故だか、今回そんなことを思いました。



などと「清貧」していたら、以下が飛び込んできた。
またBLOGOS
上野氏の例の「移民をいれずみんなで貧しくなろう」への反論。
めずらしく自分の頭で考え自分の言葉で言い張る仁。

移民を入れて活力ある社会をつくりつつ、ヨーロッパを参考に、社会的不公正と抑圧と治安悪化が起こらないようなモデルケースを模索していくという選択肢は、頭から無理だと、「日本人は多文化共生に耐えられないでしょう」と断定されるが、日本は、そもそも多文化共生の国である。
<中略> 
 それは「表層的な文化」であって「人間の流入」ではない。話をすり替えている、と言われるかもしれない。しかし私が言っているのは、これだけ「その気になれば、短期間に異文化を取り入れ、独自の形で吸収し、日本化する」ことに長けた日本人であるからこそ、「日本人は多文化共生に耐えられないでしょう」から、移民の増加は、「客観的に無理」「主観的にはツケがおおすぎる」という極めて主観的なご意見は、安易すぎると言っているのだ。
<中略>
 上野氏は、移民社会は無理だから、選択肢のもう一つ、「このままゆっくり衰退していく」ことを選ぶべきであり、「平和に衰退していく社会のモデルになればいい」「日本の希望はNPOなどの『協』セクターにあると思っています」と言われる。
<中略>
 これに対して、私は、この論を、熟年の「若いときにやりたいことをやりつくし、おいしいものを一通り味わい、行きたいところに行ってきた。そのうえで、その過去の楽しかった想い出を胸に、これからは、生物学的にも抗いようがなく衰えてゆく肉体の殻に閉じ込められているがゆえに、健康に留意し、食事制限をし、貯めてきた貯蓄を取り崩して、静かな余生を送ればいいという感覚に近いもの」と見た。
<中略>
 しかし、これからの子どもたちには、未来がある。生まれたときからスマホがある世代の子供たちには、私達の世代では思いつかない、新しい発想、新しい価値観を生み出す可能性がある。
<中略>
 さらに言う。日本では「清貧な方」のように紹介されているウルグアイのムヒカ大統領だが、彼が立派なのは、単に個人の好みのスタイルとしての「清貧」を国民に押し付けているからではない。彼は実際に俸給の大部分を寄付していたから、「世界一貧しい大統領」と呼ばれたのだ。
 そして、彼の所属する拡大戦線での公約として、ウルグアイでは、小学校の子供全てに一人一台のパソコンが無償供与されていることを強調しておく。その理由は、これからの世界を、IT技術なしに語ることはできないという現実を見据えた上で、現在の、そしてこれからの子供たちが、生まれた家庭の経済状況のために、将来の可能性を削られることがないようにだ。
<中略>
 なればこそ、今の日本がいろいろとアレな分、現実から目を背けずに、最後の最後まで、次の世代のために、見苦しく戦ってみせる、ぐらいの気概を見せていただきたかった。そうであってこその上野千鶴子であった、と思う。もう遅いけど。

処方箋の段になって尻すぼみなのが惜しい。以下、当方コメント。

◆日本は「文化」のみを受容し人は入れなかった。
 筆者が予防的に注記しているように、日本の異文化受容は、文化のみで、しかもそれをこの国の規格に適合するようにアレンジして取り入れた。「人間の流入」ではないところが急所。まさに話のすり替え。
だから、中国から移入したのは、それこそ竹林の七賢やら寒山拾得の「清貧」だの「脱俗」でありえたので、現実の人民であるところのわめく女、むさぼる男がなだれ込んでかの国の実体があらわになっていたら、良寛漱石が泣いて喜んだ高雅な精神は虚妄として歯牙にもかけられなかった、はずだ。
◆移民国家の悲惨さはトランプがこれから明らかにする。
◆PC与えるのはいいが、新しい発想には、自分を引っ張り上げる目の輝きが要る。これはすべてを環境のせいにはできない。若い世代に手を差し伸べないのではなく、おかいこぐるみで微温的な環境を作っていることこそがダメというのが私の意見です。何度も書いたが、私は次の世代には期待しない、若い世代の環境は明らかにこの国に劣後するであろうハングリーな爆買いに必ずやられます。これは不可逆。根性が違うよ。


ただし、上野氏の言説を「若いときにやりたいことをやりつくし、おいしいものを一通り味わい、行きたいところに行ってきた。そのうえで、その過去の楽しかった想い出を胸に、これからは、生物学的にも抗いようがなく衰えてゆく肉体の殻に閉じ込められているがゆえに、健康に留意し、食事制限をし、貯めてきた貯蓄を取り崩して、静かな余生を送ればいいという感覚に近いもの」と喝破したのは、まさしくそのとおり。秀逸な指摘、天晴れである。


だって、おれがそうだもん。