ブンガクの次はオンガクだ。
オンガクといえばブルックナーです、もちろん。
いや、このところ、youtubeでブルックナーばっかし聴いてるんですよ。
批評家が、ブルックナーというと、やたらと昔の指揮者を引っ張り出してきて、おれなんか聞いたことなかったクナとかシューリヒトとかを神のように崇めるので、どうせ旧制高校的教条主義だろうとたかをくくっていたのだったが、というより、ブルックナー自体が長くて退屈だったのでそもそもあまり聞いていなかったのであるが、まとめ聞きしたら、やっぱり昔の指揮者のほうが断然いい、ということがこのほどわかった。
古色蒼然。骨董盆栽に通底するじじいワールドだ。
おれのブルックナー開眼はわりと最近だ。コンサートの実演でした。
ホールの座席に身を沈めて金管の咆哮を感じていると、おお、という瞬間がいずれおとずれる。
そうだったか。
嵐の晩のブロムシュテットじいさんの7番なんて、凄かったですよ。
というわけで、シューリヒトの9番なんかをぼーっと聞いていると、よくぞおやじに生まれけり、とつくづく思う。
いや、産湯につかりながら早くも一杯やっていたわけではないので、正確にいうと、よくぞおやじになりにけり、ということか。