啓発舎

マジすか? マジすよ

実はイギリス関係はなんだかんだ言って毎日チェックしている。
どう転がっていくのか、推移を見物するのはいま一番の面白だ。
今日なんかもロイターでロンドン不動産の動向を書いていた。
もともとシティは外国人の巣窟で、離脱で金融センターとしての優位性がなくなるとどうなるか、で取引しぼんでいる、一方でポンド安で割安感もでてくる、さて。という内容。
いい着眼点だと思う。
と思うと、日経の高い買い物FT様、は相変わらず与太をとばす。
これはこれで面白。不思議なのはFTの記事はみんなただなんだよな、会員限定じゃないの。だから日経ネットに金など払わないおれも読めるんだが、くずだとわかってるからだろうね、編集も。

 筆者はオランダのホテルで、惨事が展開するのを見ていた。
 レフェリーの笛が鳴ったとき、オランダのテレビ解説者が甲高い声で叫んだ――「ブレグジット!」
 イングランドアイスランドに2対1で負けた。屈辱を味わわされ、サッカーの欧州選手権「ユーロ2016」から敗退した(注:6月27日、小国アイスランドがサッカーの「母国」といわれるイングランドに逆転勝利し、大きな番狂わせになった)。
サッカー・イングランド敗退に涙ぐむファンの少年(6月27日、ニース)=AP
 ソファで隣に座っていたのはフィル・ゴードン。第1次オバマ政権で欧州担当の米国務次官補を務めただけでなく、イングランドのサッカーについて本当に百科事典のような知識を持った人物だ。彼は気遣いと同情が入り交じった様子でうなだれた筆者を見やり、「大丈夫か」と聞いてきた。

 妥当な質問だった。なぜなら筆者はまるで何かの鈍器――多分、巨大なアイスランド産サーモン――で頭をなぐられたように感じていたからだ(そして恐らくそう見えたに違いない)。
 どういうわけか、数日前に起きた政治版のブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)よりも、このサッカーの「ブレグジット」の方に強い苦痛を覚えた。だが2つのブレグジットで、国家的やるせなさと惨事の感覚が一緒になった。
 強い酒が必要だとゴードンに言って、よろめくようにハーグのマリオット・ホテルのバーへ降りていき、最大規模の汎欧州シンクタンク、欧州外交評議会(ECFR)の年次総会に集まっていたほかの参加者に合流した。ここで、ECFRのベルリン支部代表を務めるチャーミングなアルムート・メラーに出くわした。
 「あなた方は今、アイスランドに負けたところですよ」。彼女はこう教えてくれた。「それにブレグジットに賛成票を投じましたね。あなた方の政府は大混乱に陥っていて、スコットランドは独立したがっている。いったい何が起きているんですか。英国はまじめな国だと思っていましたよ!」
 もちろん冗談だった。だが、その言葉にはやはり、いたく傷ついた。
 ECFRの会議は、欧州の政治エリートがブレグジットについてどう考えているのか、その感触を得る格好の場だった。ある午後、筆者はパネル討論の司会を務めた。参加者は投資家のジョージ・ソロスと首相経験者3人――デンマークヘレ・トーニング=シュミットフィンランドのアレクサンデル・ストゥブ、ハンガリーゴルドン・バイナイ――そしてベルリンのドイツ連邦議会で外交委員会の委員長を務めるノルベルト・レットゲンだった。
討論はいくつかの点で、心強い対話だった。自らの立場について考える時間を英国に与えるべきだ、EUは離婚のペースを強制すべきではないと参加者全員が述べた。だが、欧州議会から聞こえてくるかなり異なる声を考えると、もしかして自分は珍しく融和的なヨーロッパ人と会っているのではないかと思わされた。
 スカンディナビア諸国と英国は常に、EU内でうまく協力してきた。トーニング=シュミットとストゥブは実際、英国人と結婚している。2人は、政治的にも個人的にも英国に親切にする理由がある。

 バイナイの意見はもっと冷ややかだ。多くのEU諸国は国内で深刻な経済、政治問題に直面しており、外敵がいることは好都合だと考えるかもしれない、その敵は英国であってもいいのだと彼は警告した。またビジネスと投資を奪い、英国の新たな孤立を利用するにあたり、かなり大きな関心があるという。

 政治家に関する決まり文句に「世間に疎い」がある。だが、こうした議論を聞いていたら、学者とジャーナリストが往々にして、仕事がら定期的に一般市民と話さねばならない大半の政治家よりもずっとエリート意識が強く、世間に疎いことに、はたと気づいた。
 ハーグに集まった教授やシンクタンク研究員はブレグジットに投票した人たちを描写するために「怒れる排外主義者」といった言葉を使った。また、こうした人々の不安と無知を強調する傾向があったのに対し、くぎを刺すのは政治家の役目だった。

 トーニング=シュミットは聴衆に向かって、EUを信用しない、あるいは移民の影響を恐れる有権者の意見を尊重し、理解し、対応しなければならないと言った。彼女は拍手喝采を浴びたが、聴衆が本当にそのメッセージを受け止めたのかどうか、筆者には確信が持てなかった。

 一方、ECFRの聴衆の間で明らかにあまり人気がない政治家が、ボリス・ジョンソンだ。筆者がその後司会を務めたセッションでは、元英外相のマルコム・リフキンドが聴衆に向かって、ジョンソンはドナルド・トランプのような過激主義者ではなく、まともで分別のある男だと言うと、やじとブーイングを浴びせられた。

■深い亀裂、伝統を犠牲に

 英国の国民投票で最も悲惨な側面の一つに、離脱派と残留派の間にかき立てられた悪意――さらには憎しみ――がある。筆者はイングランドアイスランド戦の展開の恐ろしさに言葉を失ってしまうまで、この側面についてゴードンと話し合っていた。

 彼から見ると、英国の状況は、米国のクリントン陣営とトランプ陣営の間の敵意と類似点があるという。ゴードンのような民主党員にとって、トランプはただの政敵ではなく、自分たちが自国について大事に思っていることすべてへの脅威になっている。一方、多くのトランプ支持者はヒラリー・クリントンについてまさに同じ感情を抱いていると彼は認めた。
離脱派と残留派の間の亀裂が今、英国でもほぼ同じくらい深い傷をつくってしまったのではないか。その過程で我々が大切にしてきた穏健な政治の伝統が犠牲になったのではないかと、筆者は考えざるを得ない。
 ハーグでの会議に向かう旅は、継ぎ目のない欧州がいかに機能すべきか、完璧に示してみせた。筆者は日曜の夜、息子のアダムと一緒にフランスのリールにいて、ドイツとスロバキアの試合を観戦した。翌朝2人でリール駅へ行き、別々の国に向かう電車に乗った。アダムは7時30分発のユーロスターに乗り、学校に間に合う時間にロンドンに戻った。筆者は会議に間に合うよう、ベルギー経由でオランダに向かう電車に乗った。

 ブリュッセルの駅は、ユーロ2016で健闘しているベルギー代表チーム「赤い悪魔」への賛辞であふれかえっていた(注:1日の試合でウェールズに3―1で負けた)。だがサッカー狂いのオランダでは、欧州選手権への熱狂はほとんど見られなかった。なぜなら、オランダ代表チームは欧州選手権の出場資格を得ることさえできなかったからだ。オランダは敗退に追い込まれた。アイスランドによって、だ。

 イングランドがオランダと同じ運命をたどるのを見ているうち、時計の針が歴史的な敗北に向けて時を刻むなかで、イングランド選手の多くが恐怖に襲われ一種のトランス状態に陥っているように見えた。ボールを正確にパスするといった通常なら単純なはずのスキルが、突如、選手たちから抜け落ちてしまった。

 英国の支配階級にとっては、ブレグジットもかつては考えられない惨事だった。彼らがイングランドのサッカー選手を襲ったのと同じような士気の崩壊に見舞われないことを望む。

これからもの書く仕事、金よこせという厳粛な内容だ、があるので手短に。

「エリート意識が強く、世間に疎いことに、はたと気づいた」のは手遅れ、今更だ。その証左が、陳腐な感傷、自己愛、実体のない選良意識がまぜこぜになった腐臭を放つこんな駄文を書いていることそのものだ。

優秀な外国人が去ってこいつらだけで国だの経済だのをやっていく局面になった時点で沈没が確定する。

こいつら真正の阿呆が舵をとっていたのがイギリスがダメになった主因だったので、ということがしみじみ世界に知れ渡るのは、たいへんよいことです。
エリート意識が悪いとは思わない、ほんとに優れているのなら。
バカがエリートを気取るからだめなのね。
と、となりのみよちゃんも言ってます。