啓発舎

マジすか? マジすよ

というわけで、N響でした。
第1840回 定期公演 Bプログラム
指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
シューマン交響曲 第2番 ハ長調 作品61

エルガー交響曲 第2番 変ホ長調 作品63

例によってビールおよびワインなので、簡潔に。

私、というより、私の五感が喜んでいた。
うまく言えない。
ハーモニー。
シューマンの音響。
金管木管弦が合わさって強奏する、しかもそれが持続するとどういうことが起きるか。
コルトレーンは、これを聴いて晩年のどしゃめしゃ道を突き進む勇気を得たのではないか。
木管がちょっと受難というかんじもあるが、楽器は、ちゃんと全部聞こえる。
混濁と聴く人もいると思うが、それもありだ、人それぞれだ。
気持いい、というおれのようなおやじもいる。
楽曲解説にある構造がどう、作者のコンディションがどうの、は全部どうでもいい。
聞こえてくる音の分厚さとそのおおらかで暖かい響き、その中に身をひたす僥倖。


アシュケナージN響から引き出す響きは、当方は、ほんとに独特だと思う。
こればっかりは現場にいないとわからない。テレビでは、だめ。
よっぽど細かく指示しているのか、そんなわけないと思うので、おおらか、今夜はこの言葉がキーワード、奏者の自主性でそうなるのか、アシュケナージさんのお人柄力か。
指揮ぶりは、山田一雄さん。
実際にアインザッツを出しているのが指揮者かコンマスか、なんてこともどうでもいい。
おおらかな響きをひっぱりだしたのは、アシュケナージさんだ。
おフランスものはデュトワ、ロマン派はアシュケナージできまりだ。


あとエルガーですか。
この曲も重層的な響きという意味で、アシュケナージさんの音楽性にぴったりだ。
終楽章でどんちゃん盛り上がっておいて、コーダでかえって静かになり弦がふわっとした響きをだすところがある。
そこの、ふわっとした、羽根布団みたいな感触。


アシュケナージさまゑ
批評家玄人筋の能書きなど気にせず、どうかいまのかんじで突っ走ってください。
やつがれも老骨に鞭打って伴走します。