啓発舎

マジすか? マジすよ

クワガタ氏

ベランダとかドアの外とかに、昆虫が、よくいる。
だいたい、寿命間近という様子。
甲虫というのだろうか、コガネムシみたいなのが多いが、カミキリムシだろうか触覚の長いのとか、まちまちだ。
ハンカチが落ちてるとおもったら、白っぽいやたらに羽の大きい蛾だったりする。
だいたい掃除やさんが何日かかけてきれいにするようだが、さすがのアリさんも殻はもてあますのか、甲虫の外殻だけよくのこっている。

今朝、クワガタがいた。仰向けになってもがいていたのであった。肢を動かしてはいるのだが、弱弱しい。
すこしためらったが、家の中に招き入れることにした。
胴体をつまむと、一応角を開いて威嚇のようなしぐさをするのが、あわれだ。
リビングに置いておくとしばらくしてそこらをもそもそ這い始めた。

砂糖水を小皿にいれてそばに置いて、しばらくたって見てみると、小皿の中でじっとしている。
砂糖水をなめているのだった。触覚だけ交互に動かしている。

小半日たってもまだ小皿にうずくまっている。
指でちょっかいだすと、今度は元気に角を振り上げて恩知らずなパフォーマンスをしてみせたので、なんだかうれしくなった。

コンビニでみかんのゼリーを買ってきて与えると、おいしそう、かどうかわからないが、だまってこれに抱きついて取り組んでいる。

いま夜中だが、小皿にはいなくなったので、おおかた部屋の隅で休んでいるのだろう。

クワガタ氏と当方。生命としては、まったく対等だと思う。