朱色。ちょっと不気味。
ところで、昼、浮雲をみた。NHKBS。
森雅之は例によってだめ男なのだが、この映画では、女にとって都合のよい男というかんじ。
高峰秀子から連絡があるとほいほい駆けつける。
これは原作とか脚本がそうだからしかたがない。女の書いたものだ、源氏物語以来、女の書く男は、女の都合、という伝統にのったまでか。
ストーリーは退屈。
これは俳優を味わう映画。
森雅之のだめ男感。
それと、意外や岡田茉莉子。
山形勲。
映像は、とっさに思ったのは、つげ義春。
伊香保で岡田茉莉子とからむところ。
および、森雅之が逼塞しているねぐらの、入口を奥から撮った映像。子供が遊んでいるかんじ。
宿の中居さんが、やたらによく出てくる。
旅館の逢いびきがそれだけ多いということか。
高峰は、背中に林芙美子のあくの強さを背負ってるので、いたしかたないが、ちょっと、最後のほうは食傷。でずっぱりだからしょうがないか。
関係ない話。
岡田茉莉子は、N響オーボエの池田さんとちょっと通ずるところあり。
あと、モナリザ、か。あくまで、この映画の映像ね。
成瀬監督はどうだろうか。
女を描きたいのか、だめ男をみせたいのか。
この映画の森の、受け、には、ときどき少し身につまされるところがあった。
男は勝手、と、なじる女。
いいじゃん、悪いか、とつぶやきながら観ているおいら。
とほほ。