啓発舎

マジすか? マジすよ

麻布散歩

オフ。
晴れてきたので久しぶりに麻布に散歩。
坂を登っていくと左手の大使館の前で長い木の棒を突いてたっているお巡りさんに、こんにちは、と、声をかけられてしまった。「暑いですね」と返すと、うれしそうだった。こっちも、すこしうれしくなった。
暑い中、じっと立っているんだから、たいへんだよな。
むかし、きくやのあったあたりのそば屋で憩う。もりとビール。
それにしても、このあたりの警官の数はただごとではないぞ。愛育病院のところの交番は大昔からあるが、そこの車道に例のじゃばらのとうせんぼ装置を置いて、道幅をせまくしてお巡りさんが、割合気合をいれて立っている。こっちのお巡りさんは、こんにちは、などとはいわないぞ、という風情。
中国方面対策でしょうね。
一時期の、ソ連大使館の周辺のかんじだ。
思いは昔にはせるが、このあたりに那須飯店とかいったシナそば屋があった、どのくらい昔かというと、左様、瓦解のころか、尊王だの左幕だの、ご維新で巷が大騒ぎのころじゃ。
で、まあ、店頭に干してあるシナチクなどを、よく、なにしたものだが、こんなにお巡りさんが多いと、できないな。どうでもいいか。
あと、キッチンあき、があったあったあたりは緑地帯よ。



で、有栖川の坂を下りて、未だに店の名前を覚えない煙草ありのカフェでビール。
ジンガイの姐ちゃん二人組二人ともとんぼのめがね、が煙突状態でカーカーとカラスのようにわめいていた。女二人組のすさまじさは国籍を問わない、ということを認識。いっとくが、別に、気分は悪くない。カラスがカーカーやって肚立てるやつは、あまりいない。
特に、おいらの住んでいるあたりはカラスのサンクチュアリ自然教育園の連中など夜中に鳴きかわしていますからね、なれっこですよ。
それにしても、物理学の最新の研究でも、この宇宙で「わめく女二人組」より醜い事象は、検出されていない。これを特定するのはノーベル賞級だ、とカミオカンデはじめ各国の研究者がしのぎを削って取り組んでいるらしい。

広尾の商店街はすっかりスラムっぽくなったので立ち寄らず、流水書房という、若干おたくな本屋で立ち読みして帰る、というのがパターンなのだが、おお、どうしたことか、いつも、美術系の重い雑誌が平積みになっていたあたりに、パンダのように嫣然とほほえむ、か、にらみつけるかは前を通る人間の感受性次第、の、ご婦人の表紙が居並んでいるではないか、コンビニのように。
要は、つぶれて文教堂さんにとっくに入れ替わっていたのですね。
これで、もう、本屋に寄る楽しみもなくなった。

武蔵小山の商店街でも思ったが、商店街無個性化の流れは、しらみつぶし、というかんじだ。

まあ、と森羅万象に悪態をついているが、なんだか、気分は、悪くない、方向に向かっている、ような兆しが、すこしは感じられた、ので、よかったよかった。
不機嫌、という「快」。
小林信彦の文春コラムが未だに続いているのも、「不機嫌のたのしさ」の共有をしたいおやじが結構いる、ということの証左か。おれがこの雑誌をまだ毎週立ち読みしてやっているのも、このおじいちゃんの不機嫌に接したいからだけだ。中身は、ほんとにそこらのおじいちゃんの繰り言だもんな。

きくやの向かいのそばやは、ちょっとよかった。今日の収穫。

オフ。