極く一部で好評の断章シリーズ。
◆NHK引き続き好調。
新日曜美術館の岩佐又兵衛、良かった。
ゲストの辻惟雄さんと、女性の映画監督が二人とも、いい。
なにか、淫している、というかんじ。やむにやまれず、というかんじ。もう、たまりません、という感じ。
岩佐さんに対する、そういう、切実な想いが、画面ににじんでいた。二人とも、どちらかというと、控えめに、すこしはにかんでお話されるご様子ではあるのだが。
辻さん、お若い頃から、だったんですね。奇想の画家好みは。
なんだか、ご自身についても、いろいろお聞きしたいですね。
団鬼六さんなんか、どうでしょうか。
洛中洛外図は、はじめてみるが、面白そうだ。
◆そのあとの、悲愴のキタエンコさんにも堪能。おなかがいっぱいになりました。
終楽章で、チェロの3プルトか4プルトめのおにいいさんが、感極まって左右に振り子運動していました。クールなN響ではあまりみられないシーン。
楽員をのせましたね、キタエンコさん。
◆15日付け日経裏面の「うたの動物記」出色。
小池光さん、という筆者は、当方寡聞にして存じ上げないが、上質なユーモアの持ち主。
お題は なまこ。
少しだけ抜粋、ごめんなさい。
江戸の俳諧には海鼠が出てくるおもしろい句がいろいろある。
憂きことを海月に語る海鼠かな 召波
京都の人。蕪村の門人、小蕪村と呼ばれた。来る日も来る日もろくでもねえことばっかりだ。つくづく浮き世がいやになったぜ、と海底のナマコ。まあ、その気持ちもわかるけどねえ、とひらひらクラゲ。今晩も飲み屋に行けば海鼠と海月は皿の上にいるばかりではない。
抜粋おわり。
海鼠と海月は皿の上にいるばかりではない、とな。
飲み屋で海鼠を肴に呑むと、とも食いになるのであったか。
◆道元の、たとえば、「時すでにこれ有なり」という言い切り。
凄いですね。
◆きのう深川の家の前に紅白の点々が散らばっているな、とよくみたら、梅の花びらだった。可憐、という言葉は、このことか。