啓発舎

マジすか? マジすよ

丸の内一帯の食い物やの共通割引券500円が手に入ったので、奮発して、新丸の中華に行った。曲芸で湯をつぐとこ。
隣りの席が男の二人組。大音声で商談をしていた。これが滅法面白い。
一人は妖しい中国人。これが一人でまくしてて、相方の日本人がもっぱら聞き役。
で、その中国人だが、なんだろう、あたかも中国人を演じているような、典型的なキャラクター。昔、社長漫遊記というシリーズものの邦画があって、日曜の午後とか、テレビでやっていた。森繁久弥が社長、秘書が小林佳樹経理部長加藤大介、営業部長三木のり平といった手だれが、お気楽日本を演じきって、どの作品もつぶぞろい。
 で、必ず、妖しい外国人のバイヤーが登場する。小沢昭一フランキー堺。この、フランキー堺のほうのキャラそのもの、わが隣席の御仁は。少し長くなった、手短に言う。
 日本人のほうが、中国に工場をたてようかどうしようか、という状況のようだ、聞いていると。試薬だかなんだかを作っているらしい。
 で、フランキー氏が間にはいって口利きをしようか、と。
 自分が口利きするとどの銀行も青天井で融資する、ぜんぶ私が保証する、中国は輸出に熱心だから国も援助する、など、妙に達者な日本語で、しかも中国訛りは忘れずにまくし立てる。
 胡散臭さを絵に描いたようなのだが、その天然色のお気楽なかんじが、なんとも。
 なんか、傍できいてて、元気でるぞ。 
 他人事ながら、この商談、どうなるんだろうな。リスクありそうだな、このおじさんと組むのは、などと思いながら、激辛のタンタンメンをもそもそ食っていたのだった。