巣鴨のスポーツクラブで着替えをしていて、ふと思った。
おやじの静けさ。
なんだか、ここにいると、体の芯がゆるむようなことが以前からままあったのだが、それを運動の後の心地よい疲労感のせいにしていた。
今日、突然気づいたのだが、それは、おやじのオーラによるものではないか。
会員は、旧財閥系の企業の構成員に限られることから、ある程度、同質の男が集まっている。
年齢は、だいたい40歳以上。
こういうプロフィールの男達に共通する気分は、定年、いや「諦念」だ。
あきらめ。
これは、決して後ろ向きの感情ではない。
この、たそがれた、しかし、しんしんと落ち着いたゆるやかな個々人の波動が、なんともいえない時空を現出する。
これからは、おやじ、だ、おやじの時代。
女の凶暴さは、いずれいくところまでいく。
しかしご同輩、悲観することはない。
おやじどうしよりそって、やっていけばいい。