15時13分東京発の、のぞみ700系で帰る。青い色の座席は新しく、いいかんじ。
関ケ原を過ぎて米原に差し掛かるあたりから、遠く湖西のたおやかな山並みが見晴らせるようになる。山並みの上には、雲が低くたなびく。冬の、黄金色の黄昏。
中空は、透き通った藍。
造化の妙。
これより美しいものは、ちょっと想像がつかない。
いつもこの辺りをとおるといつも感ずるのだが、横に長くたなびく線は、稜線にせよ、雲にせよ、当方にダイレクトに響く。
安堵するような、悲しいような、ゆるむような、根源的な感情が呼び覚まされる。
この世のことがどうでもよくなる。
今回の東京行きは、実りあるものだった。