今週は、身すぎ世すぎでいろいろあって、たいへんでした。そんなときでも、時間は万人に平等に流れ、こうして週末を迎えています。やれやれ。
さっさと仕事を切り上げて、まだ日の残る北摂の竹薮を、愛車オレンジ3段ギアで気晴らしに走り回ってみました。
昨日の雨がすっかり上がり、曇りがちの空には、時に長い夕暮れの、透明な光が射しこみます。梅雨の合間のささやかな日照。樹々も喜んでいて、私も嬉しくなります。
ふと、松下竜一氏のエピソードが浮かびました。
自称「売れない作家」であるセンセ(これも自称。一人称単数として用いる)は、毎夕河口までいって夕日の美しさを夫婦で採点していた、という話です。
豊か、という言葉の定義に使いたいようなお話です。
このエピソードは、草思社のPR誌に先生自らしたためたエッセイで知りました。2000年の12月号。改装前の神保町東京堂で入手。当時ここには(エスカレーターで3階に上がったところ)、さまざまな出版社のPR誌が置いてあって、春秋社とか、理想社とか、しぶい出版社のPR誌を、よくいただいたものでした。
ちょっと夏風邪気味でもあるのですが、週末、体調がよければ、京都にお能を観にいこうかと思います。