啓発舎

マジすか? マジすよ

*[書評]意識と本質

久しぶりに、碩学 井筒俊彦先生の「意識と本質」(岩波文庫)を拾い読み。イスラム神秘主義にはじまり、禅、宣長マラルメ朱子学ユング→易、ユダヤカバラー、などなど、およそ、「本質」を探究する古今東西の宗教、哲学、行、のデパートのような内容。いつ読んでも新しい発見があるのだが、眼目は、やはり、この人の専門分野であるイスラムスーフィーと、禅ですね。
Ⅶの章は、およそ禅について書かれているあらゆる書の中で、この宗教、というか、世界認識の方法、道筋を示した行=システムについて喝破した唯一の文章という気がする、私の渉猟した限りだけど。
 「花が存在する」のではない、「存在が花している」のだ、と。
このフレーズに、この本の「本質」が要約されていると思う。